「D-Lab LoRaWANプロジェクト」
D-Labでは、低消費電力で広域通信が可能なLoRaWAN技術を活用し、持続可能な地域社会の実現を目指したスマートビレッジモデルの構築に取り組んでいます。
本プロジェクトは、LoRaWANの先進地域であるドイツ・ベルリンで得た技術的知見や運用ノウハウをもとに、日本国内における地域課題の解決に応用することを目的としています。その一環として、熊本県阿蘇郡西原村
において、スマート農業およびGPSトラッキングをテーマとしたケーススタディを実施。地域の特性とニーズを踏まえたLoRaWAN利活用モデルの実証を行っています。
技術基盤には、ChirpStackによる自営型LoRaWANネットワークと、Heliumの分散型商用ネットワーク(Proof of Coverage対応)を併用したハイブリッド構成のゲートウェイを採用。用途や設置場所に応じて、商用ネットワークに依存せずに運用できる自営型構成と、広域な通信インフラを活用するHeliumネットワークの両立を実現しています。これにより、農村部や山間部でも安定したデータ中継が可能となり、初期コストも抑えられることから、自治体や地域団体によるスマートインフラ構築を後押しします。
本システムは、温湿度・土壌水分などの環境データに加え、GPSによる位置情報の取得にも対応。リアルタイムなデータ取得とアラート通知機能を備えており、農業、防災、インフラ監視など多様な分野での活用が期待されます。
また、これらの取り組みは、2025年大阪・関西万博の「TEAM EXPO 2025」プログラム/共創チャレンジにも登録されており、「スマートビレッジ構築トライアル」として、持続可能な未来社会の実現に資する実証事例の一つとして紹介されています。
高い拡張性と導入のしやすさを兼ね備えた本プラットフォームは、地域主導の持続可能なDX(デジタルトランスフォーメーション)を支える中核技術として、今後のさらなる展開が期待されます。